英国ジム事情 Gym in UK
体系の変化は、不健康であり、経済的ですらない。服一式買替は無駄遣いだ。
これは自分に合ったジムを見つけるためにグレートブリテンを熱く駆け抜けたメタボリックシンドローム予備軍の物語である。
ジムやプールに行く事は、経済的負担もさることながら、限られた時間を見つけるのも大変だ。体系が気になるなら、ランニングにいくのが最初のステップ。寒く変わりやすいロンドンの天候は貴方の目標を打ち砕くためにはうってつけだ。体力がないと免疫が下がり、風邪をひく。そうなるとジムにでも行こうかとなる訳だが。
無料体験を使い、ジムにはプール付きとそう出ないもの、そして料金プランが異なる事、調査は怠らなかったが、その代償として、大量のスパムメールとセールスの電話が鳴りやまなくなる。Aというジムもお試しで体験が出来るとの事。Aはよく見かけるジムのウェイトの器具とは異なり、バッドモービルのような黒光りする巨大装置があり、一見しても全く使い方が分からない。激しい運動を誘発する感じの音楽がジムの空間には流れない。奇妙なくらい静かだった。音楽を聴くことを禁止されている。重いウェイトの設備が時たまガチャーンと聞こえる。トレイニーは黙々と時計をみて、器具を動かす。湯気が肩から湧いている。受付で一つ手ぬぐいを渡される。装置に体を乗せられ、固定される。身動きがとれない。そこから時計をみて同じ胸筋の動作を一分間繰り返す。今までかいたことがない汗がお尻からでる。不思議な感覚だ。装置を三つぐらい試させてもらった。そのジムの厳格な雰囲気は悪くない。受付に戻ると料金プランの説明を受ける。六か月、一年、二年前払い三つのプランがある。結果を見せたいので少なくとも半年のコミットが必要だそうだ。二年プランは割安だが、本当に二年も続けられるのだろうか。自信なんかある訳がない。
その後Bというジムにいった。ビジネスマンが昼休み、帰宅前に通うような普通のジムだった。Aより割高感はあるが、二か月の通知で退会できる。音楽も聞こえるし、携帯で音楽を聴くのも禁止されてはいない。器具は自由に使えるのだが、大きな設備も沢山があるのだが、その割にはインストラクターが少ない。声をかけて、器具の使い方教わるほど、積極的な性格ではない。自分で使えればよいのだが。
Cはボクシングジムだった。料金は一回ごとに支払わねばならなく、無料期間がない。一時間みっちりとサーキットトレーニング、及びボクシング、筋トレをさせられる。その時、事件が起きた。スニーカーも悪かし、ジムの床も悪かった。滑ってしまい、クランチの時に、腹筋を肉離れを起こした。よくあるイギリスの安いスニーカー問題だ。靴底が相当悪い。五十ポンド以下のものは、有名なメーカーであっても、気を付けたほうがよい。むしろ有名メーカーなのに安いのが怪しいと考えたほうが良い。無名なのほうがまだましだ。
事件から一年が経った。腹筋はすでに回復していた。駅前ではバナナを配っていた。リーフレットを一緒に渡された。そこにはジムの無料体験ができると書いてあった。バナナ一本が目的で何度も何度もそのリーフレットをもらった。リーフレットをオフィスの机の前に置いて置くと、行ってもいいかなと考えるようになった。広告の力とは資源の無駄遣いで成立するのだ。
そのジムはクラスが四十五分毎に組まれており、ズンバ、ヨガ、ウェイト、クランチ、八十年代のダンス、自転車、ボクシング等から選べる。一か月間は無料だが、翌月は前払い、つまり二か月縛りだった。コースの単価で考えると割高だが、契約は善良に思えた。クラスでは自分のペースでトレーニングができない。みんなで一緒に運動をするというのは正直大変が、一人でランニングや器具をつかっていたのとは、比較にならないぐらいどっさりと汗が出てくる。今はそこに通っているが、まだ二か月目なので飽きたらまたほかのジムを探すのかもしれない。視聴率が取れずに急に打ち切りになるアニメと同じ結末、いわゆる「オレタタ」エンディングなのだ。俺たちの戦いはこれからだ!