【必読】イギリス、ロンドンでの賃貸契約の退去の仕方。


イギリス、ロンドンに住んでいるんだけど、日本に帰ることになったので、賃貸契約をやめたいな。
How to vacate a rental property in the UK.
そんな疑問をお持ちのイギリス、ロンドン在住の方は是非最後まで読んでいただければ、参考になると思います。
筆者はイギリス、ロンドン在住14年で、不動産業界に計12年働いている現役のプロの不動産業界人です。
お住まいの期間中、物件、不動産屋さん、大家さんといろいろあって大変だったかもしれません。
たつ鳥あとを濁さずというように、何事もなく退去したいものです。
下記、イギリス、ロンドンでの退去の過程をまとめてみました。
イギリス、ロンドンでの退去のスケジュールを逆算する。
英国での賃貸物件の退去の日程は下記のように決める必要があります。退去のプロセスの予定は下記のようなスケジュールになります。
- 退去の通知を出す。引っ越し業者の選定(通常退去日から1か月か2か月前から)
- 引っ越し(その晩はホテル住まいになります。すくなくとも退去日の2日前)
- 業者の掃除(その晩はホテル住まいになります。退去前日)
- インベントリーチェックアウト(退去日当日)
- 敷金の返金(退去から15日から一か月後ぐらい)

逆算して、退去通知を出す必要がある。
解約通知の提出
英文による解約通知は必ず正式なご退去日の指定が必要です。
こちらがないと正式な解約通知としては認められておりません。
解約通知には指定の書式はありませんが、必ず契約者のご署名が必要です。
会社契約の場合は御社の人事総務から通知のご発行をお願い致します。解約には二つの状況がありえます。
A.中途解約
契約書内に早期解約条項(Break Clause)がある場合のみ、途中解約が可能です。
こちらの中途解約条項は、契約開始から半年後、7ヶ月後から通知出来るようなる場合がほとんどです。
そのため、入居すぐに解約はできかねます。
契約書に記載されている解約条項は、下記のような条件がありえます。
- 海外転勤が決まった場合だけ中途解約可能(通常半年後から)
- 30日の事前通知が必要
- 60日の事前通知が必要
- 基本的に半年以降30日の事前通知があれば退去ができるが、クリスマスシーズンだけは通知を出せない。
契約によって様々ですので、ご自身の契約の(Break Clause)をご確認ください。
契約まえに中途解約をつけない代わりに、お値段交渉をする場合も度々ございます。(つまり一年は確実にいるので、お値段負けて下さいなど。)
B.契約満了
契約満了をもってご退去される場合、通常不動産屋が契約満了から60日前、または30日前に連絡致し、満了の場合においても書面での契約満了を示す必要がある場合があります。
厳密には会社契約の場合は必要ございませんが、不動産屋によっては通知のお願いする場合が多いようです。
最終家賃のお支払い
中途解約の場合は最終家賃の調整が必要で、一般的には日割りになります。
ご自身で銀行の自動引き落とし(Standing order)を設定されている場合は、ご自身で停止手続きをして頂く必要がございます。
最終家賃日割りの例
例えば月2000ポンドの場合で、契約開始日が1月1日の場合で、ご退去の通知が7月5日で、最終日が8月5日になった場合。退去日が日曜日、国民の祝日にはできません。
2000×12か月÷365×5日=328.76ポンド
公共料金の最終支払いと住民税
インターネット、固定電話、有線テレビのご契約はご自身で退去、解約の通知をしてください。
またテレビライセンスを払っていらっしゃっている場合も、ご自身でご解約をしてください。
特にBTに関しては第三者が関与することができかねまるので、ご自身で解約をお願いします。
電気・ガス・水道はご退去日にメーターを確認して、それからの最終の支払いになりますのでご帰国の支払いになります。
ご帰国前の直前に電話で電気・ガス・水道会社に電話され当日に最終料金をデビットカード等での支払いも可能です。
その場合は、退去のインベントリーチェックの際に、インベントリークラークに電気、ガス、水道の最終メーターリーディングを聞いてください。(水道はメーターではなく、レート払い(月々いくらみたいな固定の料金)も多いです。)
上記の支払いをDirect Debit,スタンディングオーダー(自動引き落とし)で設定されている場合は、ご自身でご解約下さい。
住民税も第三者の締めの手続きが難しくなってきました。退去日は確定していると思いますので、この日に退去するので、そこまでのカウンシルタクスを払いたいとカウンシルに連絡しましょう。その際に、レシートを受け取るようにしてください。レシートがないと敷金の返金に遅れが出ます。
公共料金に関しても最終支払いをしたというメール、またはレシートを受け取るようにしてください。
清掃・インベントリーチェックアウト・鍵を引き取り
業者による清掃
契約終了時、テナントは物件の現状復帰義務があり、物件(カーテン、寝具、バルコニー、ガレージなども含む)を清掃した上で大家に引き渡す必要があります。
清掃はお荷物を搬出した後で、必ずインベントリーチェックアウトを済ませるようにしてください。
業者の掃除は、通常不動産屋の紹介か、または引越し屋さんが有料で行う場合ほとんどです。
ご自身で清掃しないでください。
特に水回りの掃除は素人にはできません。
清掃された時の、領収書を必ず保管してください。
インベントリーチェックアウトの際の、清掃完了の証明として大家に提示する必要があります。
清掃がちゃんとされていないと敷金から減額の対象になりえますのでご注意ください。
インベントリーチェックアウト
インベントリーチェックアウトは通常月曜から土曜日の9時から15時で可能です。
日曜日、祝日にはインベントリーチェックアウトができませんので、ご了承くださいませ。
チェックアウトでの確認事項
① インベントリーリストにそって、必ず事前に所定のものをもとの部屋にもどしておく。
② 契約書のテナントの義務について事前に再度読んでおく
③ インベントリークラークに入居時との相違点を当日確認する
④ 紛失したもの、破損したものは必ず列記し、チェックアウト時に知らせる。スプーン・グラスなどは購入して埋め合わせをしてもよいが大家に事前に相談する。
⑤ 電球が切れている場合は事前に付け替える。
電球がきれていると後日電球代、ハンディーマンの費用を請求される可能性がある。
自分で取り替えられない場合は、とりあえずスペアを事前に買っておく。
⑥ インベントリーチェックアウトの時にすべての鍵を返却する。(その後は物件の立ち入りが出来なくなります。)
⑦ ご自身のアイテムは全部必ず除去してください。
自分が購入されたテレビ等、自分では価値があると思うものを勝手においていかないでください。
大家かエージェントに事前にご相談下さい。
事前に大家さんに交渉されると、安くではありますが、下取りしてくれるケースもあります。
ご退去日後の郵便物の取り扱い
Royal mail では、移転先(国外を含む)への自動転送・リダイレクトサービスを有料でおこなっております。
ご退去の一週間前までに最寄りの郵便局でお申し込みください。
退去の通知の例
個人契約の場合
14-05-2019
Dear Mr. Cole,
RE: Flat 104 Regent Court, Robert Road , London W1C 2LK
I regret to give the notification to terminate the tenancy agreement of the above property as of 20th of June 2019.
We thank you for your attention in this regard and will be grateful you could accept our request,
Kind regards
Taro Yamada
会社契約の場合
14-05-2019
Dear Mr Cole,
RE: Flat 104 Regent Court, Robert Road, London W1C 2LK
I regret to advise that I hereby serve written notice to terminate the tenancy agreement at the above property as of 20th of June 2019 is 60 or 30 day notice from the date of service.
Mr Taro Yamada (the occupier)has been recalled to Japan.
We thank you for your attention in this regard and will be grateful if you could acknowledge this letter.
Kind regards
Jiro Sato
ABC Corporation LTD,
123-456 Robert Road
London N1 3LK
敷金の返金
ご入居前に、五週間分程度の敷金を支払われていたと思います。問題がなければ、御退去から二週間から1ヶ月の間に返金されます。
大家さんが、物件にダメージがあった、掃除がイマイチだったなどの苦情があった場合は、下記のような手続きになります。
清掃に対する場合
明らかにオーブンの中だけが掃除が住んでいなかったなどの場合は、業者が再度やり直しますので、苦情を入れてください。そのため引っ越し屋さんや、不動産屋さんが紹介してくれた清掃業者を使うのをお勧めします。
自分で独自にアレンジされると、自分で清掃のやり直しをお願いしないといけなくなりますので。
物件のあるはずのアイテムが無くなっている
大家が購入時のレシートを保管していると、その金額を請求されます。
物件のもの、カーペットにシミが出来て、清掃しても消えない。
大家は適当に購入時の金額を請求してくると思います。示談で適当な金額で合意してもいいかと思いますが、通常はこのような計算式を使います。
カーペットがたとえば、1000ポンドだった場合で、すでに退去時に5年使っていた場合。
減価償却は10年と考えます。そのため半額の請求が妥当となります。
ただ通常スポットのシミで問題になっていると思いますので、それ以下で示談される方がいいと思います。
示談で解決できない場合
個人契約の場合は、無料で敷金を保護している期間にクレームすれば、3ヶ月程度でインベントリーの記録から判断してくれます。
会社契約の場合で、敷金が保護されていない場合は、弁護士を立てるしかありません。
ただこの場合は、弁護士費用もかかりますので、大家の請求額と比較してご考慮ください。
敷金全額が戻ってくる秘訣という記事は別途書かせていただきます。
[box05 title=”イギリス、ロンドンでの賃貸契約の解約、退去の方法まとめ”]
- 契約書の退去の通知方法を確認。
- 引っ越し屋さんを決める。
- 清掃業者を決める。
- 帰国前に、光熱費の支払いを済ませたければ、チェックアウトには立ち会う必要あり。最終のメーターリーディングを取る必要がある。
- 敷金は全額戻ってくる場合とそうでない場合がある。
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