英国ベッド事情 Bedsize in UK

  英国の賃貸物件には家具がついている。電気ケトルやトースター、電子レンジまでついているというものが多いのに、何故かシーツ、枕、布団の類がない場合が多い。

   実は不動産屋が大家に出来るだけベッドのリネン類をテナントに提供しないように勧めている場合が多い。リネンの類を家主が提供すると、退去の際にテナントにドライクリーニングの費用がかかり、折角ドライクリーニングされたリネンが、次のテナントが中古リネンを嫌がって、また大家が新品を買わなければならないという悪循環を避けるためだ。

  仕方がないので、テナントは入居当日は近くの寝具が買えるお店へ足を運ぶことになる。大手であれば、ホームベース、アルゴス、マークスアンドスペンサー、ジョンルイスなどで購入することになるが、ここで必要になるのはベッドのサイズだ。

ベッドのサイズの世界規格というとはあるのであろうか。そういえばダブルといいながら、ちょっと小さくないかと思われたことはないだろうか。サイズは世界標準とうのはない。各国ばらばらである。よく英国で見かけるベッドは、英国サイズのもの、またはIKEAのものが多い。

  

  IKEAのスウェーデンサイズは、最近はなくなり、英国サイズに統一されたのはここ数年前のように思える。まずダブルベッドの大きさを比較してみると、日本のサイズは、140センチ×195センチで、英国サイズは140センチ×190センチになる。奥行が英国のほうが5センチ短い。意外である。しかしIKEAのスウェーデンサイズは、140センチ×200センチと英国や日本のダブルより10センチ長い。このため英国ダブルのマットレスに昔のIKEAのトッパー、低反発になるテンピュールのような寝心地になる奴などを装着するとサイズがはみ出す。現在ではこのような問題はなくなったようだ。

 ベッドなんかなければいい。そんな風に思ったことはないだろうか。まず落ちたら危ない。布団のほうが安全である。赤ん坊は良く落下する。

 ベッドの歴史を紐解くと、最も初めにベッドが認められるのは紀元前3200年のエジプトとされ、このころすでに現在に至る原型が発生している。ベッドの発生以前、人類は洞窟等の床が冷たい所に藁などを敷いてそれにくるまって寝ていたため、床から少し高い所で寝る生理的欲求が生まれた。しかしベッドの発明はある意味で、人間の生活形態に一つの劇的な副作用を起こした。それは「しゃがむ」という動作が省けるようになったのだ。

 

そのためこの時期には机、椅子などのしゃがまなくてもよい発明が多発する。

だがベッドの文化は何故か日本では根付かなかった。おとなりの中国では古くからベッドの文化が流行していたにもかかわらずである。日本では明治以降やっと流行るようになる。奈良時代以前に中国から輸入されたベッドが現在も保存されている事を考えると、ベッドが日本で流行するチャンスはあったわけだ。

   これは何故なのだろうか。理由は歴然である。日本では平安時代に日本固有の畳が流行してしまったのである。家の作りが畳になってしまうと、ベッドは無意味になる。なぜなら畳の文化とは言ってみればベッドのマットレスの上で食事などの日常生活を営む事だからである。日本人は「しゃがむ」ことには苦を感じなかった。和式便所も「しゃがみ」の文化だ。二つに折りたたまれた携帯をぱかっと開ける手間もくにならないように、こんな昔から日本だけで流行して、世界基準から外れてしまう「ガラパゴス化」がはじまっていたのだ。

  ちなみに英国基準ではクイーンサイズというのがない。シングル、ダブル、キング、スーパーキングが主流である。英国のキングサイズは150センチ×200センチになるが、これは日本のクイーンサイズにあたり、日本のキングサイズ154センチ×195センチよりかなり小さい。離婚を認めないカトリックと袂をわかち、英国国教会を創設してまで、六人の王妃を次々と娶ったイングランド王ヘンリー八世がいる。身長190センチ、体重は150キロの英国史上最巨漢のあの国王が、英国のキングサイズベッドに満足していたかは疑問である。

  そんなわけで、入居時にはマットレスだけがある場合が多い。気の利いた大家であればマットレスプロテクターもつけているかもしれない。しかしこのプロテクターはピンキリで、6ポンドくらいの安価なものから70ポンドちかい高価なものまでいろいろだ。マトレスに付いたシミは退去の際に請求される高額な賠償の一つである。もしお子さんがまだおねしょをする年齢であれば、高価だがウォータープルーフのマットレスプロテクターを購入されると良い。

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