山田さん英語の賃貸契約書を読んでいるのですが、危険な条項とかありますか。
英国の賃貸契約(Tenancy Agreement)は、日本とは異なり、細かい条項のひとつひとつに法的拘束力があります。エージェントに急かされてサインしてしまうと、思わぬ損失を招くことも。ここでは「サインしてはいけない」危険な条項ベスト5を専門的に、わかりやすく解説します。
家主が「いつでも立ち入りできる」と書かれている条項
「Landlord may enter at any time」などの文言がある場合、すぐに要注意。英国法では、家主が入居中の部屋に立ち入る際は24時間前の通知が義務です(Housing Act 1988)。無断立ち入りはプライバシー侵害として訴えられる可能性もあります。
水漏れ、火事、強盗などの緊急の場合は除きます。


敷金(Deposit)の返金を家主の裁量に任せる条項
「The deposit will be returned at landlord’s discretion.」という一文は違法です。敷金は必ず政府認定のDeposit Scheme(DPS, TDS, MyDepositsなど)に保護され、返還時には両者の合意または裁定が必要です。家主の一存では決められません。過去に悪徳大家がテナントに敷金を返さなかったため、Housing Act 1988(住宅法1988)」によって導入され、すべてのイギリスにおける個人契約において敷金は保護されるようになりました。
これはイギリスの個人契約ASTの場合はそうですが、会社契約や、大家さんの一緒に住んでいる下宿人だと大家さんが敷金を持つことも可能です。その場合は注意しましょう。
「修理費はすべてテナント負担」とする条項
構造・配管・暖房設備などの維持は家主の法的責任です。仮に家賃がめちゃくちゃ安くて、テナントもこの条項があってもいいというような場合であっても、違法になります。これをすべてテナントに押し付ける文言は「unfair term(不当条項)」にあたり、法的に無効と判断されます。電球交換や消耗品など小さな修繕のみが入居者負担です。
入居時のチェックインの際に、リストが来ますが、これは物件の外見(傷があるか、掃除はしっかりされているか)などのチェックにすぎません。大家さんが提供している、オーブン、ボイラー、洗濯機などの修理義務はテナントが明らかに壊した場合を除き、大家さんの義務になります。
“No Pet, No Child, No DSS” といった差別的条項
「DSS(生活保護受給者)不可」や「子ども不可」「外国人不可」といった表現は、Equality Act 2010 に抵触する恐れがあります。さらに、Renters’ Reform Billではペット禁止の一律条項が廃止される方向。差別的条件にはサインしてはいけません。ただすでに集合住宅のルールにおいて、ペット禁止になっていたり、免許制の場合は、そのまま引き継がれるはずです。




大家さんぽい人が偽大家
ロンドンやマンチェスターなどの都市部では、「偽大家」や「なりすましエージェント」が急増しています。
これは、実際の物件所有者ではない人物が、不動産ポータル(RightmoveやZoopleのOpen rentのもの、Facebook,Spare roomなど)に虚偽の賃貸広告を掲載し、敷金や家賃をだまし取る手口です。
特に日本人駐在員や留学生が狙われやすい理由は、短期間で契約を急ぐ,英国の不動産制度に不慣れといった背景があります。
このようなトラブルは、JTECの利用や、有料でLand Registryから登記情報を確認することで防げます。
まとめ:契約書は“読むより、読ませる”が鉄則
契約書を受け取ったら、契約書以外に下記の3点を送ってきているか必ずチェックしましょう。
・Deposit Scheme の登録証明書(Certificate)
・Inventory(入居時の状態記録)
・How to Rent ガイド(政府発行の入居者向け冊子)
これらの書類が揃っていない場合、エージェントの信頼性を再確認する必要があります。
こちらの三つの書類も、イギリスの個人契約の場合は必須ですが、会社契約や、大家さんと同居する下宿人は含まれません。Inventoryがない物件は退去の際に、大家が苦情をしても記録がないので、請求は無効になります。
スペアルームや、OPEN Rent、イギリスの地方物件、一年に契約が満たないVisaなしで日本からイギリスにいらしゃる方、是非JTECをご利用くださいませ。



