イギリス、ロンドンでの商業物件賃貸のポイント

あやか

イギリス、ロンドンで美容室を経営しようと考えています。どんな賃貸物件を借りれますか。またよく空き物件にクラスEとか書いてありますが、あれはなんですか。

そんな疑問をお持ちのイギリス、ロンドン在住の方は是非最後まで読んでいただければ、参考になると思います。

筆者はイギリス、ロンドン在住16年で、不動産業界に計14年働いている現役のプロの不動産業界人です。

弊社は商業物件は扱っていませんが、私が将来的に日本のスーパー銭湯をロンドンで経営したいと考えているため、今回商業物件の賃貸について調べてみました。

イギリスで賃貸物件をお探しの際は、弊社にご連絡くださいませ。渡英後からやっと賃貸物件を探しはじめると、ご入居までに一ヶ月以上ホテル暮らしになります。

ぜひJTECPCにご連絡くださいませ。

目次

はじめに 最近の法改正

1987に基づいて定められており、2020年に大きく見直しがありました。


Class E(Commercial, Business and Service Use Class)について

2020年9月1日の法改正で新たに導入されたクラスで、これまで別々だった以下のような用途がClass Eに統合されました:

旧クラス用途
A1小売(スーパーマーケット、雑貨店など)
A2金融サービス(銀行、不動産、旅行代理店など)
A3飲食(カフェ、レストラン)
B1オフィス、研究開発、軽工業など

つまり、Class Eに該当する物件であれば、例えばカフェ → オフィス → 小売店というように、許可なく用途変更が可能になったという柔軟性があります。


Class Dについて(D1 / D2)

Class Dは2020年の法改正で廃止され、用途が別のクラスに再編されました。 ただし、古い物件や広告ではまだ「Class D」と表記されることがあります。

旧クラス用途現在の対応
D1非住宅の医療施設、教育施設(学校、診療所、教会など)一部はClass F1(学術・非営利)またはEに移行
D2娯楽施設(ジム、映画館、ボウリング場など)一部はClass F2または**Sui Generis(特定用途)**に移行

よく使われる他のクラス

クラス用途
Sui Generis(スイ・ジェネリス)特定用途(パブ、クラブ、テイクアウェイ、ガソリンスタンドなど)
F1学校、図書館、美術館など(非営利・公共)
F2地元に密着した施設(小規模な食料品店、スポーツ施設など)

Sui Generis(スイ・ジェネリス)とは、ラテン語で「その種類のもの」という意味です。すべて独自のものであり、他に類を見ないものです。

看板に「Class E 物件」と書かれている意味

  • その店舗は小売・カフェ・オフィスなど幅広い用途で使える物件であることを示している
  • テナント募集の際に、業種の幅が広がるので、借り手を見つけやすくなる

ジムとかサウナ、SPAのクラス


ジム(Gym)

ジムの用途は、基本的に 「Sui Generis(スイ・ジェネリス)」 に分類されます。

  • かつては「Class D2(娯楽施設)」でしたが、2020年の改正により 「Sui Generis(特定用途)」 に変更されました。
  • ジムを運営するには、物件がSui Generisとして許可されているか、または**Class Eの物件からの用途変更の許可(planning permission)**が必要になる可能性があります。

サウナ・スパ(Sauna / Spa)

サウナやスパも、ジムと同様に基本的には Sui Generis に該当するケースが多いです。ただし、施設の内容や規模、提供するサービスによって多少異なることがあります。

  • マッサージや美容系のトリートメント中心のスパであれば、Class E(商業・サービス)に含まれる可能性もあります。
  • ですが、リラクゼーション施設・健康施設としての運用になると、Sui Generisとして扱われることが一般的です。

まとめ

用途一般的なクラス注意点
ジムSui Generis旧D2。用途変更に注意。
サウナSui Generis または Class E内容により異なる。
スパSui Generis または Class E美容メインならClass Eの可能性も。

運営のために確認すべきこと

  1. 対象物件の現在のUse Classを確認
  2. 必要に応じて**用途変更(Change of Use)**の申請を検討
  3. 地元自治体(Local Planning Authority)に事前相談するのがおすすめ

用途クラス(Use Class)を変更 費用と時間

所要時間の目安

ステージ所要期間
事前相談(任意)1〜2週間(地域による)
用途変更の申請(Change of Use Application)提出後の審査期間通常は8週間以内(中規模以下の申請)
追加情報の要求がある場合審査が遅れることも(+2〜4週間)
合計の目安通常2〜3ヶ月程度

費用の目安(2025年時点)

用途変更の申請には、以下の費用が発生します:

費用項目金額の目安
Planning Application Fee約 £462(小規模な商業用途変更)
Planning Consultant(任意)約 £500〜£2,000+(複雑なケースで推奨)
建築図面・レポート作成(任意)£300〜£1,000程度(必要に応じて)
合計の目安£462〜数千ポンド(内容とプロによるかどうかで変動)

注意点

  1. **Class E → Sui Generis(例:カフェ → ジム)**のような変更は、許可が必要な場合が多いです。
  2. **Listed Building(歴史的建造物)Conservation Area(保存地域)**にある物件では、別途許可が必要なことがあります。
  3. 地元自治体によっては、**Pre-Application Advice(事前相談)**の制度があり、無料または少額で相談可能。
  4. 申請が拒否されるリスクもあるため、特にSui Generisに変更したい場合は、専門家(Planning Consultant)への相談がおすすめです。

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この記事を書いた人

西島伸一朗のアバター 西島伸一朗 https://jtecpc.co.uk/

Japan TEC Property and Cleaning Service Ltd.(JTECPC.CO.UK)のディレクター。
2007年にロンドンへ移住。アクトンの日系不動産仲介を皮切りに、ノッティングヒルやフィンチェリー、さらにイーリングといった地域で豊富な賃貸仲介経験を積み、独立。2019年より本業。趣味はバドミントン。#グーナー。

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