柔軟なスコットランド賃貸契約の特徴

あやか

ロンドンからスコットランドのグラスゴーに引っ越します。何か賃貸契約で違いはありますか。

スコットランドとイングランドでは、賃貸契約に関する法律が異なるため、**中途解約(early termination)**のルールも異なります。以下に、個人の住宅賃貸契約(Private Residential Tenancy)における中途解約の比較をわかりやすくまとめます。

筆者はイギリス、ロンドン在住17年で、不動産業界に計16年働いている現役のプロの不動産業界人です。

簡単にいうと、特にイングランドで賃貸契約をされたことがあれば、スコットランドの契約の縛りは大変ゆるいです。


目次

スコットランド:Private Residential Tenancy(PRT)

スコットランドのテナントからの中途解約(退去通知)

28日間の通知でいつでも解約可能(びっくりですが契約開始日からいつでもOKです)。解約理由の説明は不要。書面またはメールで通知する必要あり。

スコットランドの家主からの中途解約

家主は正当な理由(法定理由)がない限り、解約できません。最低でも28日または84日の通知が必要(居住期間や理由による)。

スコットランドの賃貸契約のポイント

スコットランドでは固定期間(例:6ヶ月や1年)という概念がなく、すべて「無期限契約」。テナントは28日前の通知でいつでも自由に解約できる柔軟な制度。


イングランド:Assured Shorthold Tenancy(AST)

イングランドのテナントからの中途解約

固定期間中は解約不可が原則です。ただし、契約書に「Break Clause(中途解約条項)」がある場合は、一定期間後(たとえば6ヶ月以降)に通知を出せば中途解約可能です。通知期間は一ヶ月か二ヶ月の事前通知が必要です。。

イングランドの家主からの中途解約

固定期間中は基本的に解約不可(特例(セクション8)を除く)。固定期間終了後、Section 21(無過失解雇)で2ヶ月通知による退去要請が可能。

イングランドの個人契約書のポイント

イングランドでは固定期間がある契約が一般です。契約期間内に中途解約するには、Break Clauseがあるか、貸主と合意する必要が契約前の交渉で必要です。


賃貸契約イングランド、スコットランド 比較 まとめ

項目スコットランド(PRT)イングランド(AST)
契約形態無期限契約固定期間あり
テナントの中途解約いつでも28日通知で可Break Clauseが必要。通常1ヶ月通知
家主の中途解約法定理由のみ可固定期間後はSection 21使用可
柔軟性非常に高い契約内容により制限あり

スコットランドでは固定期間の契約がないです。中途解約が最初から入るとお考えください。

スコットランド個人契約 結論

スコットランドの賃貸制度は、テナントにとって非常に柔軟で退去しやすいのが特徴です。一方、イングランドでは契約条項に縛られるため、契約書のBreak Clauseや貸主との合意が中途解約のカギになります。


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この記事を書いた人

西島伸一朗のアバター 西島伸一朗 https://jtecpc.co.uk/

Japan TEC Property and Cleaning Service Ltd.(JTECPC.CO.UK)のディレクター。
2007年にロンドンへ移住。アクトンの日系不動産仲介を皮切りに、ノッティングヒルやフィンチェリー、さらにイーリングといった地域で豊富な賃貸仲介経験を積み、独立。2019年より本業。趣味はバドミントン。#グーナー。

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