イギリスの賃貸契約書の個人契約に出てくるセクション21:Section21と廃止の方向について

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Section 21 notice in the UK tenancy agreement on Assured Shorthold Tenancy

山田さん

なんか契約書を読んでいたら、強制的に退去させられるような項目が結構あって怖いんですが。

そんな疑問をお持ちのイギリス、ロンドン在住の方は是非最後まで読んでいただければ、参考になると思います。

筆者はイギリス、ロンドン在住16年で、不動産業界に計15年働いている現役のプロの不動産業界人です。

今回は大家さんがテナントを追い出す通知の一つであるセクション21:Section21について説明します。

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セクション8の強制退去の通知に関しては下記の記事をお読みください。

イギリスにおけるセクション21:Section 21通知の歴史と成り立ち

第一次世界大戦による住宅不足の結果、1915年に家賃および抵当権利息増額(戦時制限)法Increase of Rent and Mortgage Interest (War Restrictions) Actによって、特定の住居のテナントに対して初めて居住権の保障が与えられました。つまり家賃が払えなくなった貧しいテナントであっても、大家さんは簡単にテナントを追い出せなくなってしまいました。

このテナントに対する保障に関する規制は、長年にわたって拡大・強化されてきました。

1977年の家賃法(Rent Act 1977)および1977年の立ち退き禁止法は(Protection from Eviction Act 1977 )も、それまでの法律を統合したもので、現在も施行されています。テナントの家賃滞納を理由とする立ち退きは、裁量による理由のみであり、裁判所が妥当と判断した場合のみ立ち退き命令が下されることを意味しました。(1988年以降はセクション8の通知で退去させられますが)


住宅法(1988年)は、1989年1月15日より、保証賃貸借と保証短期賃貸借を導入しました。

1977年家賃法に基づく規制賃貸と同様に、非短期保証賃貸の借主は、同法で規定された理由のいずれかが満たされない限り、立ち退きを命じられることはありません。ただし、現在では家賃滞納を理由に立ち退きを命じる強制的な根拠が存在します。

しかし、短期保証賃貸の借主の家主は、 1988年法第21条に従って借主に対して十分な通知がなされている限り、どのような理由であっても裁判所から退去命令を申請することができます。1997年2月28日の住宅法1996年96条の発効により、確実な短期契約が民間住宅賃貸借の標準となりました。

セクション21:Section21と不動産投資のブーム

大量のお金が動く不動産という投資に、家賃未払いのテナントが入ってしまうリスクをこのSection21通知の導入のために現在までの不動産投資ブームが始まったと言えます。

ちなみにこの1980年台から住宅法(1988年)導入後の現在までイギリスの不動産屋はずっとバブル知らずで値上がりを続けています。

section21

現在のSection21と現在の問題点

Section21の問題点とはテナントの希望や財政状況にかかわらず、テナントを追い出したくなったら、固定期間を過ぎたら、契約を二ヶ月通知で解消できるという大家側の一方的な退去通知です。

私のテナント様(お客様で)オックスフォードにお住まいの方がいました。こちらのかたは物件も綺麗に使われ、お家賃も会社から出ていたので、お家賃の滞納も、支払いの遅れもありませんでした。ところが2年目の6月ごろにこのセクション21の通知が突然テナント様に送られてきました。

まずなぜこの通知がテナント様に送られてきたのか、大家さんに聞いてみようと思いましたが、不動産屋から返事はありませんでした。また何故かテナント様がお住まいだった物件がRightmoveで賃貸物件として広告され始めました。

つまり何故この通知が出たかというと大家はこちらの契約を9月で切りたかったのです。私のお客様にはこちらの物件がマーケットに出ているので、再契約という方法もありましたが、相当頭にきていたので、結局ご退去されて他の物件に住まれました。特に学生の街であるオックスフォードでは、9月始まりの契約だと家賃が高く成る傾向にあり、9月から8月終わりのこのサイクルをキープする傾向にあります。

イギリスは9月始まりなので、オックスフォード以外でも9月は家賃が相場より高い傾向にあります。

家賃を払わない、悪いテナントを追い出すためのSection21が大家側に濫用されている例です。

現実的なセクション21(Section21)に対応する方法

個人契約ではなく、法人契約にする

そうすればセクション21の通知は契約書に入りません。しかしながら現実的な問題として個人契約ではないと契約できない住宅ローン付きの大家さんが多いのも事実です。特に地方がそうです。

また法人契約は、個人契約のように敷金(deposit)が政府の機関に守られていないので、もし退去の際に問題があると弁護士沙汰になり、逆にコストがかかってしまう可能性もあります。

住宅ローンを抱えていない大家の物件に住む

海外の投資家や、お金持ちの物件かどうかは、不動産屋の言いなりで、正直なところは分かりかねますが、聞いてみてもいいかもしれません。また不動産登記を自分で取って確認してみてもいいかもしれません。購入金額とかいつ買ったかが分かります。大家さんがその物件を長年保有しているのであれば、売る気配はないかもしれませんね。

不動産登記(ランドレジストリー)の取り方はこちらが参考になります。

契約期間を長く契約する

実際の赴任、学業が2年、3年と決まっているのであれば、その期間の固定契約にしておくと追い出されることはありません。しかしながら、万が一隣人がうるさくて、退去したくなった、緊急事態の発生で日本に帰らないといけなくなった、大家、不動産屋の対応が杜撰で出たいなどさまざまな理由で中途解約できないので、この賃貸契約を長期にしてしまうのも一長一短です。

ちなみに3年以上の契約は弁護士がいないと作れないため、不動産屋では作成できません。

2025年度セクション21:Section21は本当に労働党の下、廃止になり賃貸マーケットによる影響

大家さんはテナントの家賃未払いによるリスクを避けるために、家賃の前払いや身分確認の厳しいチェックをするようになると思います。また現在収入は家賃の2.5倍から3倍以上ないと賃貸できないというリファランスチェックも厳しくなってくるように思えます。

資金のある法人は駐在員用に社宅などを買ってもいいかもしれません。単身者であれば、大きな一軒家を法人が購入して、部屋住まいなどさせる方法はあるかもしれません。しかしながらイギリスに駐在するようなベテランの従業員は単身でなく、家族もいる可能性も高いので大きな物件が必要になり、コストの問題も発生するので現実的にはイギリスで賃貸しかないのかもしれません。

まとめ

  • この通知は現状イギリスの個人の賃貸契約に入ってる項目で、固定契約がすぎたらどんな理由でもテナントを退去させられる。
  • 賃貸マーケットの高騰と商売目的のためにセクション21は乱用されている。そのため2025年に廃止になるかもしれない。これは保守党から労働党に代わり、セクション21の内容が変わる可能性が高い。

参考サイト

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この記事を書いた人

西島伸一朗のアバター 西島伸一朗 https://jtecpc.co.uk/

Japan TEC Property and Cleaning Service Ltd.(JTECPC.CO.UK)のディレクター。
2007年にロンドンへ移住。アクトンの日系不動産仲介を皮切りに、ノッティングヒルやフィンチェリー、さらにイーリングといった地域で豊富な賃貸仲介経験を積み、独立。2019年より本業。趣味はバドミントン。#グーナー。

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