福井さんイギリスにある不動産屋に賃貸契約の申し込みをしようと思います。身辺調査(リファランスチェック)が完了しないといけないと手付金がなくなるといっています。どんな審査があるんですか。心配です。
ちなみにJTECのお客様で賃貸の審査(リファランスチェック)で落ちた人はいまのところいませんので、ご安心ください。
先日、お客様の入居が一ヶ月近く遅れました。物件は決まっていて、お金も用意できていて、不動産屋もOK。なのに止まっていた原因が、この「リファレンスチェック」だったんです。
リファランスチェック会社が前に東京ですんでいた、お爺ちゃんの元大家に電話で連絡しようとして、英語はできないわ、変な時間に電話はかかってくるわですったもんだしました。
審査会社の確認が遅れ、その間ずっとホテル暮らし。一泊一万円としても、一ヶ月で三十万円が消えていく計算です。もったいない。
この記事では、イギリスで家を借りるときに必ず通る関門「サードパーティーのリファレンスチェック」について、現役の不動産業界人の視点から、裏側まで全部お見せします。2026年の制度変更(後で出てくる家賃前払いの話、これがけっこう大事)も反映済みです。
現地の不動産屋から「リファレンス会社に依頼しました」って言われたんだけど…自分の何を調べられてるの? なんか怖いんですけど。
大丈夫。ロンドン在住18年、不動産業界16年の僕が、審査会社が裏でやってることを全部バラします。仕組みがわかれば、こわくないですよ。
そもそもリファレンスチェックって何?不動産屋が外部に丸投げする理由


イギリスで賃貸物件に申し込むと、ほぼ確実に「リファレンスチェック(referencing)」を行います。日本でいう入居審査ですね。ただ日本と違うのは、不動産屋や大家さんが自分で調べるんじゃなくて、専門の審査会社に外注するところがほとんどです。
なぜ外注するか。
理由はシンプルで、彼らはその道のプロだから。信用情報の照会、収入の裏取り、身元確認。こういう作業を、専用のシステムを使って淡々とこなしていきます。不動産屋からすると「面倒で責任の重い部分を、信頼できる第三者に任せられる」わけです。
ただこのリファランスチェック会社はなぜか、海外のお金の流れはチェックしません。つまりあなたが日本で働いていて、スキルドワーカービザではなく、例えばYMSのビザで出向して、日本円で給与をもらっているとか、ややこしい状況だとファイナンスチェックはできなくなります。
審査会社が見ているのは、ざっくり言うとこの4つ。
- あなたが本当に「あなた」なのか(身元確認)
- 家賃をちゃんと払えるだけの収入があるか(収入チェックGBPでの)
- 過去にトラブルを起こしていないか(賃貸履歴・信用情報)
- イギリスに住む資格があるか(Right to Rent)
このどれか一つでも引っかかると、審査落ち、もしくは「保証人を立ててください」という条件付きになります。昔はここで「じゃあ家賃を前払いで」という逃げ道もあったんですが、2026年5月の法改正で前払いは最大1ヶ月分までに制限されました。つまり、その手はもう基本使えない。ここ、今回いちばん変わったところなので、後半でじっくり説明します。


2026年版・主要リファレンス会社【提出書類と審査基準】


今回この記事をんアップデートしたかったところです。数年前と比べて、審査会社の顔ぶれと中身がけっこう変わってるんですよ。オープンバンキングやAIっぽい自動チェックが当たり前になって、給与明細の偽造みたいな小細工は通用しなくなってきました。
現場でよく見る会社を、提出書類と合格ラインつきで紹介します。
Goodlord(グッドロード)


最近いちばん遭遇率が高いのがこれ。使っている不動産屋がほんとに増えました。
提出するのは、パスポート(非英国籍ならビザ、もしくはRight to Rentのシェアコード)、直近3ヶ月分の給与明細か銀行明細、それから前の大家さんの紹介状。自営業の方は納税証明書と会計士からの参照状が必要になります。
合格ラインは、年間の総収入(Gross、税引き前)が家賃の2.5倍以上。月収ベースで言うと家賃の2.5倍ですね。保証人を立てる場合はもっと高い比率を求められます。
月家賃£2,000 の場合、 年間家賃は £24,000(2,000×12)。 その2.5倍 → £24,000 × 2.5 = £60,000(年収)。
特徴的なのが、オープンバンキングを使ったリアルタイムの収入確認と、生体認証によるID確認(IDVTといいます)。要するに、銀行口座を直接覗いて「ほんとにこの収入ありますね」と一瞬で裏取りする仕組み。ごまかしが効きません。
HomeLet(ホームレット)


老舗の大手。運営はBarbon Insurance Groupという会社で、じつは後で出てくるLet Allianceと同じグループの姉妹ブランドです。だから審査の中身もLet Allianceと近く、「VISTA」という同じシステムを共用しています。
提出書類は、規定リストに沿った身分証(パスポートや運転免許証)と、3ヶ月分の給与明細・銀行明細。
合格ラインはやや厳しめで、テナント本人は年収が家賃の30倍以上、保証人は36倍以上。
家賃が月1500GBPの場合 テナント本人:£1,500 × 30 = 年収£45,000以上 保証人:£1,500 × 36 = 年収£54,000以上
裏側のVISTAでは、あなたの支出や借金をリアルタイムに分析しています。さらにHMRC(英国の税務当局)や大手の給与プロバイダーとAPIでつながっていて、給与明細の偽造を防いでいる。自営業や高額物件みたいな複雑なケースは、専任チームが手作業で見てくれます。
Vouch(ヴァウチ)
シェフィールド発の会社で、2020年にGoodlordに買収され、いまはGoodlordグループの一員です。「保険会社ではなく、賃貸エージェントが作ったリファレンス会社」というのが売り。
Rightmove RLTS(ライトムーブ)


イギリス最大の物件ポータル、あのRightmoveが提供している審査サービス。RLTSは「Rightmove Landlord and Tenant Services」の略で、もとはVan Mildertという審査会社をRightmoveが買収してブランド名を変えたものです。不動産屋側の管理システムと連携できるのが強みです。
提出するのは、フルネーム・連絡先・過去3年間の住所履歴・雇用主と前大家の連絡先・直近の銀行取引明細。
合格ラインは、月収が家賃の2.5倍以上、または年収が家賃の30倍以上。中身はGoodlordやHomeLetと近いですね。
家賃が月1500GBPの場合 月収:£1,500 × 2.5 = £3,750/月以上 年収:£1,500 × 30 = £45,000/年以上
ひとつ注意点。Rightmoveのサービスは、政治的に注意が必要な人物(PEP)や制裁対象者の自動チェックはやるんですが、身分証(ID)そのものの検証はやりません。つまりIDの確認は不動産屋自身がやる義務が残る。だから別途、対面やアプリでのID確認を求められることがあります。
Canopy :RentPassport(キャノピー)


ちょっと毛色が違う新しめのサービス。「RentPassport」という自分用の審査データをあらかじめ作っておくスタイルです。
提出するのは、RentPassport作成用のデータ、パスポート等のデジタルスキャン、それからオープンバンキングへのアクセス権限。Plaidという会社のオープンバンキングデータを使って、最大12ヶ月分の給与や家賃支払い履歴を一瞬で判定します。信用情報のチェックはExperian(大手信用機関)がエンジンになっています。
面白いのが「RentTracking」という機能。期日どおりに家賃を払うと、それを信用機関に報告してくれて、あなたのクレジットスコアが上がっていく。イギリスで信用履歴を育てたい日本人には、地味にありがたい仕組みです。
Let Alliance(レットアライアンス)


これも遭遇率が高い1社。Belvoirをはじめ、これを使う不動産屋は本当にあちこちにあります。運営は先ほどのHomeLetと同じBarbon Insurance Groupで、FCA(英国の金融行為監督機構)に登録された正規業者です。
審査システムは「VISTA」という名前。ここが面白くて、昔ながらの「収入が家賃の何倍か」という単純な倍率計算だけじゃなく、収入と支出のパターンまで見て「実際に払い続けられる人か(affordability)」をリアルタイムで判定します。IDも最低2つのデータソースで裏取りし、複数の申込書間で情報のズレがないか(=なりすましや偽造)までチェックする念の入りよう。自動で取れない部分は、専任の審査スタッフが手作業で確認します。
近年はTransUnion(信用情報機関)と組んで、オープンバンキングを使った「Same Day Referencing(即日審査)」を推しています。銀行口座へのアクセスに同意すると、過去12ヶ月分の収入・家賃支払い履歴を一気に取得。給与明細や銀行明細の山をアップロードしなくて済むうえ、早ければ数分〜24時間で審査が終わります。同意するときは「給料が振り込まれる口座/家賃を払っている口座」を選ぶのがコツ。
提出・確認されるものを整理すると、こんな感じ。
- 身分証2点(うち1点は顔写真付き、もう1点は住所がわかる公共料金・カウンシルタックスの請求書や運転免許証など。出生証明書は不可)
- 信用調査(CCJ・自己破産・IVA=個人任意整理の有無。複数のCCJがあると自動的に審査落ち。完済済みで5,000ポンド未満なら、保証人つきでOKになることも)
- 雇用主への照会(直属の上司の名前、またはHR・給与担当の連絡先)
ここが日本から渡英する人にとって超重要
イギリス国外に過去6ヶ月のあいだ一度でも住んでいた人は、UKの信用ファイルが無いため通常のクレジットチェック(Express)ができません。ただしLet Allianceの場合、その人向けに「Ultimate Reference」というフル審査が用意されていて、レポート上は「UK信用情報なし=信用上の問題は検出できない」と明記したうえで、収入チェックと大家さんへの照会で審査を進めてくれます。渡英直後で信用履歴ゼロの方でも、道は閉ざされていないということ。
あと、無職の人や学生は基本的に必ず保証人が必要です。学生は奨学金(stipend)の証明があれば添えておきましょう。電話で状況を確認したいときは、不動産屋が持っているリファレンス番号が要ります(番号なしだと教えてもらえない)。
FCC Paragon(エフシーシー・パラゴン)


1996年から審査業界でやっている老舗の独立系で、テナント審査だけでなく、家賃保証(Rent Warranty)・大家&テナント保険・債権回収・AML(マネロン対策)チェックまで、賃貸まわりを丸ごと扱う「なんでも屋」タイプです。
審査でやることは王道です。クレジット履歴のチェック(CCJや自己破産の確認)、選挙人名簿での居住履歴の照合、収入確認、前の大家さんへの照会。テナント本人と保証人の両方を見ます。提出するのは身分証・収入証明・雇用主情報・前の大家さんの連絡先で、そこから先は向こうが進めてくれる流れ。照会先がすぐ応じれば、最短1時間でフルレポートが出ることもあります。急ぎなら24時間使える「Instant Credit & Address Search(即時クレジット・住所チェック)」という簡易版も。
地味に便利なのが、Right to Rentチェックを追加料金なしで代行してくれる点。国際的な制裁リストやPEP(要注意人物)データベースとの照合も毎日やっているので、コンプライアンス面はしっかりしています。
OpenRent(オープンレント)


OpenRentは、不動産屋を挟まず大家さんとテナントが直接やり取りするタイプのプラットフォーム。ここで物件を決めると、OpenRent自身の審査サービスを通すことになります。「Rent Now」という仕組みで、審査・契約書のサイン・デポジット登録・家賃回収まで、ぜんぶオンラインで完結するのが特徴です。
流れはこう。気に入った物件ページの緑色の「Rent Now」ボタンを押して、まずホールディングデポジット(家賃1週間分)をデビットカードで払います。現金・小切手・銀行振込は不可。このお金は契約成立すると初月家賃に充当されます。大家さんに通知が飛んで、大家さんがOKすれば審査スタート、という段取り。テナントも保証人も、契約書に名前が載る全員に有効なメールアドレスが必要です(電子署名に使うので)。18歳以上の同居人は全員審査するのが基本。
審査には2種類あります。
- Comprehensive(総合審査):3〜5営業日(実際は2日くらいで終わることも)。前の大家さんへの照会、収入・雇用確認、アフォーダビリティ評価、信用調査、CCJチェック、過去の住所の紐付け、不正情報まで含むフル版。
- Speedy(スピード審査):1営業日。急ぎ向けの簡易版。
信用調査はEquifaxという大手信用機関を使っていて、CCJ・自己破産・支払い不能の履歴をチェックします。アフォーダビリティ(払えるかどうか)は、オープンバンキングや照会先の情報で確認。費用は1人あたり30ポンド前後で、これは大家さん負担なのでテナント側の持ち出しはありません。
ひとつ知っておくと安心なのが、複数人で借りる場合の扱い。一人ひとり「自分の負担分」で審査されますが、たとえ個人では足りなくても、同居人みんなの合計で家賃をカバーできれば「合算(in conjunction)」で通ることがあります。家族やカップルで借りるなら覚えておくといいですね。
そのほか現場で見かける会社


上のメインどころに加えて、昔ながらのRent4Sureも今でも使われています。会社ごとに細かい基準は違いますが、見ているもの(身元・収入・信用・賃貸履歴)はだいたい共通です。
会社によって基準がバラバラなんですね…。結局、僕は通るんでしょうか?
ぶっちゃけ、合否のほとんどは「イギリスでの収入」で決まります。次で計算式を見せますね。
合否はほぼ収入で決まる。倍率の計算を実例で


会社ごとに計算式は微妙に違うんですが、考え方はだいたい同じ。「収入が家賃に対して十分かどうか」を倍率で見ます。今の主流は、本人なら年収=家賃の30倍(=月収の2.5倍)、保証人なら36倍、というあたり。会社によっては本人にも3倍(36倍)を求めるところもあるので、あくまで一例として見てください。
自分で家賃を払う場合
たとえばロンドンで家賃が月1,500ポンドの物件を借りたいとします。
年収=1,500 × 30 = 45,000ポンド(税引き前、Grossで)。これが必要ライン。月収でいうと税引き前で3,750ポンドですね。これを下回ると、本人だけでは通らない可能性が高い。
ここで大事なのが、原則「イギリスでの収入」だということ。日本の会社に雇われて日本で給料をもらっている状態だと、そもそも審査に通りません。これ、勘違いしている方がほんとに多い。
イギリス在住の保証人を立てる場合
収入が足りないとき、いちばん一般的なのが保証人(Guarantor)です。ただし保証人にはもっと高いハードルが課されます。
同じく家賃が月1,500ポンドなら、保証人の年収は1,500 × 36 = 54,000ポンドが目安。さらに条件として、保証人はイギリス在住で、賃貸ではなく持ち家を持っていること、と求められるケースもあります。海外に住んでいる人は保証人になれません。これも要注意。
Right to Rentとシェアコード・IDVT(非英国籍者の必須手続き)


収入の話と並んで、外国籍の方が必ず通る関門がこれ。「Right to Rent」、ざっくり言うと「あなた、イギリスに住む資格ありますか?」の確認です。
イングランドでは、18歳以上の入居者全員にこの確認が義務づけられています。やり方が国籍で分かれていて、英国籍の人は生体認証や「IDVT(身元確認技術)」を使ったデジタルなスキャンで確認。日本人を含む非英国籍の人は、内務省(Home Office)が発行する「シェアコード」を審査システムに入力して、オンラインで確認する流れになります。
このシェアコード、eVisa(電子ビザ)に紐づいて発行されるものです。渡英前から自分のアカウントを作って、コードをいつでも出せるようにしておくと、審査がスムーズに進みます。ここで手間取って入居が遅れるケース、わりとあるんですよ。


ETA(電子渡航認証)だけだと、賃貸契約はほぼ結べない
ここ、最近すごく相談が増えているので、はっきり書いておきます。ETA(Electronic Travel Authorisation/電子渡航認証)しか持っていない人は、通常の賃貸契約を結ぶのがほぼ無理だと思ってください。
そもそもETAは何かというと、ビザなしで入国できる国の人向けの「渡航許可」。2026年2月から本格的に必須になったもので、観光・親族訪問・出張・短期留学などで最長6ヶ月の滞在を認めるものです。ここがポイントなんですが、ETAはあくまで「来ていいよ」という許可であって、イギリスに住む資格(immigration status)でも、働く権利でもありません。
一方でRight to Rentは、「この人、イギリスに居住する資格がありますか?」を確認する制度。大家さんは資格を証明できない人に貸すと罰せられるので、貸せないんです。そして居住資格を証明する手段が、まさにeVisaに紐づくシェアコード。ETAにはこの居住資格がぶら下がっていないので、シェアコードを出してもRight to Rentが通らない。結果、まともな不動産屋・大家さんは契約してくれません。
じゃあETAの身分でしばらくイギリスに滞在したい人はどうするか。現実的な選択肢は、Right to Rentの審査が要らない短期滞在型の住まいになります。
- サービスアパートメント(家具付き・光熱費込みで、ホテルとアパートの中間みたいなもの)
- Airbnbなどの短期レンタル
- ホテルやアパートホテル
これらは「宿泊」扱いなので、Right to Rentの確認なしで泊まれます。割高にはなりますが、まずここを拠点にして、ちゃんとしたビザ(学生ビザ・Skilled Workerビザ・YMSなど)を取ってから本契約の物件を探す、という二段構えが安全です。長く住むつもりなら、ETAではなく最初から適切なビザを取っておくのが結局いちばん早い、というのが正直なところ。
ETAで子供連れでこれれると公立には入学できません。インターナショナルスクールはETAでの入居を認めるとこともあるようです。ご相談は弊社まで。
提出した個人情報はどうなるの?GDPRとICO・書類保管2年ルール


銀行明細から身分証まで、けっこう生々しい情報を渡すわけです。「これ、悪用されない?」と不安になるのは当然。仕組みを知っておけば安心できます。
イギリスでは、不動産屋や大家さんは「データ管理者」として、情報コミッショナーオフィス(ICO)への登録と手数料の支払いが義務づけられています。そして、あなたのデータを審査会社のような第三者に渡すことは、事前に「プライバシー通知」で知らせる決まり。黙って横流しはできません。
審査が終わったデータは、一定期間でシステムから自動削除されます。ただし例外があって、Right to Rentの確認書類の原本は、あなたが退去したあとも最低2年間は保管する義務がある。これは法律で決まっているので、不動産屋が勝手に消すわけにもいかないんです。
「家賃前払いで通す」という裏技は、もう使えない


ここ、今回いちばん伝えたいところ。過去にこの記事を読んだ方は、頭の中をアップデートしてください。
以前は、収入が足りなかったり保証人を用意できなかったりしても、「半年分とか1年分の家賃を前払いすれば契約できる」という抜け道がありました。実際、保証人を立てられない留学生や渡英直後の方が、この前払いで物件を確保していたんです。
ところが、2026年5月1日に施行されたRenters’ Rights Act 2025(賃借人の権利法)で、これが封じられました。新しいルールはこう。
- 入居前に請求できる前払い家賃は、最大1ヶ月分まで
- そもそも、契約書にサインする前に家賃の支払いを求めること自体が禁止
- 「半年分前払い」みたいな契約条項を入れても、その条項は無効
たとえば「収入が足りないから1年分まとめて払って物件を押さえる」という、これまで当たり前だった手は、2026年5月以降の新規契約では基本できなくなったということ。敷金(デポジット)の上限は今までどおり家賃の5〜6週間分、ホールディングデポジットは1週間分まで、これは変わりません。
ちなみに、2026年5月1日より前にすでに結んでいる契約で前払いの取り決めがある場合は、そのまま有効です。あくまで新しい契約から、という点はおさえておいてください。
えっ、前払いが使えないなら、収入が足りない自分はどうすれば…?
これからは保証人、もしくは保証人代行サービス(Guarantor service)が現実的な選択肢になります。前払い頼みだった人ほど、早めの準備が効いてきますよ。


日本側で今から準備しておくべきこと


審査をスムーズに通すコツは、ほぼ「事前準備」に尽きます。渡英してから慌てて集めるんじゃなくて、日本にいるうちに動いておく。具体的にはこのあたり。
前の大家さん・管理会社への根回し。審査会社は過去3年分の賃貸履歴を調べます。ここで意外と見落とされがちなんですが、連絡はメールだけじゃなく、日本の大家さんや管理会社に直接「電話」がかかってくる可能性もあるんです。英語で、いきなり。何も知らされていない大家さんからすると「詐欺かな?」と警戒して出ない・返さない、で審査が止まる。これがけっこう多い。だから渡英前に「イギリスの審査会社から、英語でメールか電話が来るかもしれません」と一声かけておいてください。聞かれる内容は「契約期間」「毎月の家賃額」「滞納や遅れがなかったか」の3点くらいなので、それも伝えておくとスムーズです。時差があるので、電話より、メールや賃貸契約書の提出で対応するパターンも多いです。
前の住まいが不動産屋・管理会社なら、対応可否を先に確認。個人の大家さんじゃなく不動産屋や管理会社が窓口だった場合は、会社のルール上「英語の照会には答えられない」「書面でしか対応しない」みたいなことがあります。だから事前に「英語でこういう問い合わせが来たら、どこまで対応してもらえますか?」と聞いておくのが大事。担当者の名前と連絡先(できればメールアドレス)も控えておくと、審査会社にスムーズに渡せます。どうしても日本側の英語対応が難しければ、僕ら(JTEC)が間に入ることもできます。
現住所の証明は、英文の正式な翻訳を用意しておく。「あなたが今その住所に住んでいる」ことを示す書類は、審査でわりと効きます。日本の住民票や、住所が記載された光熱費(電気・ガス・水道)の請求書・支払い明細があると便利。ただし日本語のままだと審査会社は読めないので、翻訳会社による英文の正式翻訳をつけておくのがベスト。自己流の翻訳メモじゃなく、ちゃんとした翻訳証明つきのものを用意しておくと、提出を求められたときに即出せて強いです。
銀行の残高証明も英文で。収入や資力を示すうえで、銀行の残高証明(バランスシート)は有力な補強材料。これも日本の住所が入った英文の公式書類があるとベストです。日本の銀行で英文の残高証明を発行してもらうか、発行が難しければ翻訳会社に正式翻訳を頼んでおきましょう。家賃前払いが使えなくなった今、こうした「払える証拠」を厚めにそろえておく価値は上がっています。
シェアコードの準備。さっき書いたとおり、eVisaのアカウントを作ってシェアコードをすぐ出せる状態に。
持ち家・実家住まいの人へ。日本で持ち家、もしくは実家に住んでいた場合は、過去の賃貸履歴の照会はおそらく来ません。不動産登記の提出を求められることも、基本ないはずです。
リファレンスチェックは、慣れていないと得体が知れなくて不安なもの。でも中身がわかれば、やることはシンプルです。収入の証明をそろえて、シェアコードを用意して、日本側に一声かけておく。これだけで通過率はぐっと上がります。
そして2026年からは、前払いという保険が使いにくくなったぶん、最初の準備がますます大事になりました。渡英後にゼロから探し始めると、入居まで一ヶ月以上ホテル暮らし、なんてことも珍しくありません。冒頭のお客様のように。
JTECでは、ロンドンはもちろん、ケンブリッジ・オックスフォード・ブライトン・マンチェスター・エジンバラ・グラスゴーなど英国全域の賃貸を、LINEを使って日本からリモートで契約までサポートしています。リファレンスで詰まりそう、保証人どうしよう、という段階からでも遠慮なくご相談ください。お問い合わせ、お待ちしています。









