聞き手:西島(JTEC)/ 話し手:仲丸先生・ホストのキースさん

イギリス北部の歴史都市・ヨーク。
中世の城壁と大聖堂が街の風景に溶け込むこの街で、半年間の客員研究員として滞在しているのが、北海学園大学に所属する歴史学者・仲丸先生です。
今回の記事では、「なぜヨークを選んだのか」「ヨークでの研究・生活環境」「イギリス地方都市でのお住まい探し」について伺いました。
ヨークでの留学・研究滞在を検討している方、日本語でのイギリス物件探しを考えている方にとって、具体的なイメージがつかめる内容になっています。
- 所属:北海学園大学
- 専門分野:16〜17世紀イングランド史(特にジェントリー研究・宗教改革期の歴史)
- 在外研究先:ヨーク大学(Faculty of Humanities)
- 滞在地域:ヨーク
- 滞在期間:半年(客員研究 / 9月〜翌年3月初め)
- 家族構成:本人のみ渡英
イギリス・ヨークを研究拠点に選んだ理由
研究テーマと深く結びつくヨークという街を、先生がどのように位置づけているのか。まずは、この地を選んだ背景から話を伺いました。
研究テーマ「ジェントリー」とヨーク周辺地域
西島:まず、仲丸先生がイギリスに来るきっかけは何だったんですか?そして、なぜヨークを選ばれたんですか。
仲丸先生:今の研究テーマが、ヨーク周辺の「ジェントリー(gentry)」──いわゆる昔の地方貴族階級なんです。中近世のイングランド社会を考えるうえで、この地域のジェントリーはとても重要な存在なんですね。この歴史的背景が色濃く残っているので、研究拠点として最適なんですよ。
ヨークの第一印象 ─ 宗教都市としての顔
西島:
なるほど。僕、昨日初めてヨークに来たんですが、パブに入ったらゴシック様式の映画みたいな雰囲気で驚きました。ヨークって宗教的な雰囲気が強い街なんですか?
仲丸先生:
そうですね。ヨークにはヨーク・ミンスター(大聖堂)があって、イギリス国教会の北部の中心地になっています。「ヨークといえば大聖堂」というくらい象徴的な存在ですね。
それから、ヨークは「幽霊の街」としても知られていて、町中にはゴーストツアー(ゴーストウォーク)の看板もたくさん出ています。

ヨークの歴史 | 中世でピークを迎えた街
インタビューの中で繰り返し語られたのが、ヨークという街の「歴史の厚み」。先生の視点で、その独特の成り立ちを振り返っていきます。

宗教改革で「中世が終わった街」
西島:
先生の専門はイギリス史ですよね?
仲丸先生:
はい、特に16世紀から17世紀ののイングランド史を研究しています。
西島:
その時代だと、宗教改革のあたりの時代ですよね?
仲丸先生:
まさにそうです。実はヨークという街は、中世に一度大きく栄えたあと、宗教改革の時期に多くの教会や修道院が破壊されてしまったんです。博物館でも「この街の歴史は中世で終わった」と説明されているくらいなんですよ。地元の人の意識としては「中世がピークで、その後は衰退した街」というイメージが残っているようです。
それでも残る城壁と街並み
西島:
とはいえ、街を歩くと城壁とか、街の景観はまだ残ってますよね。
仲丸先生:
城壁はかなりの範囲が残っていますし、旧市街の街並みも中世の雰囲気を感じられます。
チェスターやウェルズなど、イングランドには他にも城壁の残る古い街がありますが、ヨークは観光地としての人気も非常に高いですね。チェスターやウェルズなど、地方の古い町にもまだ城壁が残っていますが、ヨークは観光地としても非常に人気があります。
西島:
ヨークって、城壁の上を歩けるんですよね。今朝歩いたてみましたが、すごく気持ちよかったです。
ヨークでの暮らしと研究環境
研究拠点としてのヨークだけでなく、実際に暮らしてみてどう感じたのか。日々の生活や大学での過ごし方についても伺いました。
滞在期間と研究拠点
西島:
先生は今回は半年のご滞在と伺いましたが、期間はどのくらいですか?
仲丸先生:
はい。9月にヨークに来て、来年の3月初めには日本に戻る予定です。短期ではありますが、その分、大学での研究と街の歴史をできるだけ密度高く吸収しようと思っています。
ヨークでのコンパクトな暮らし
西島:
ヨーク生活で印象的だったことはありますか?
仲丸先生:
暮らしに関してはとてもコンパクトで楽ですね。
家の近くに大きなスーパーがあって、日常の買い物はほとんどそこで済みます。大学も近いので、通学も負担がありません。
水・お湯など、日本人が気にしがちなポイント
西島:
ヨークの水って硬水なんでしょうか?
仲丸先生:
特に気になりませんね。普通に飲んでも問題ないと感じています。
西島:
シャワーやお湯のトラブルはどうですか?
仲丸先生:
今のところまったくありません。お湯もしっかり出ますし、水回りで困ったことはないですね。
仲丸先生:
最初に戸惑ったのは洗濯機の使い方くらいです(笑)。
それから、部屋に大きな机がないので、家での作業はあまりしていません。サイドテーブルだけなので、論文を書いたり文献を読むのは、ほとんど毎日大学に通ってやっています。

イギリス地方都市での部屋探しとJTECとの出会い
ヨークのような地方都市では、住まい探しが思いのほか難航することも。先生がどのように情報を集め、JTECにたどり着いたのかを振り返ります。
「イギリス アコモデーション」での検索から始まった
西島:
ちなみに、どうやって弊社(JTEC)を見つけられたんですか?
仲丸先生:
ネット検索です。「イギリス アコモデーション」で調べたら、日系の不動産屋さんはほとんどロンドンに集中していて。その中で、ヨークのような地方都市の賃貸やアコモデーションを日本語で相談できるのがJTECさんだけだった、というのがきっかけです。
半年契約というハードル ─ ビザと不動産事情
仲丸先生:
条件に合う物件をいくつか見つけていただきましたが、ネックになったのが「半年契約」でした。
西島:
イギリスでは、大学関係者であっても半年だけの滞在はかなり難しいケースが多いです。
多くのお住まいは1年契約前提ですし、半年程度のビザだと日本人はそもそもビザが不要な場合もあるので、不動産会社側が嫌がることも少なくありません。
仲丸先生:
僕の場合は、家庭の事情もあって1年は日本を離れづらかったんです。そのため、どうしても半年の滞在を選ばざるを得ませんでしたが、JTECさんに間に入ってもらえたことで、現地の不動産会社とのやり取りや契約のハードルがかなり下がったと感じています。
イギリスでの物件探し・内覧予約でお困りの際は、ぜひJTECまでご相談ください。
経験豊富な現地スタッフが、英語でのやり取り・交渉・内覧調整をワンストップで対応いたします。
シェア生活とホスト・キースさんの日常

今回の滞在では、地元ホストとのシェア生活がもうひとつの大きな要素に。実際にどんな人とどんな日々を過ごしているのか、お話を聞きました。
クラシックカーとボーダー・コリーと暮らす家
西島:
お住まいは大家さんとシェアされていると思いますが、どんな方なんですか?
仲丸先生:
Keith(キース)というリタイアしたおじいさんで、クラシックカーが趣味なんですよ。暇さえあれば車の下をのぞいてガチャガチャやってる(笑)。
西島:
いいですね。まさにイギリスの田舎紳士って感じですね。
愛犬とクラシックカーのあるキースさんの暮らし
Nishijima:
Is your dog a he or she? What’s his name?(ワンちゃんはオスですか?お名前は?)
Keith: He—his name is Blue. He’s got a blue eye; not common, but you do see it in some dogs. He’s six and a half, still middle-aged for a collie. My third Border Collie, actually. He’s friendly and doesn’t bark—he’ll just lie there and watch you.
オスで、名前はブルーです。片方が青い目で、珍しいですが、時々いるタイプですね。年齢は6歳半で、コリーとしてはまだ中年くらい。ボーダー・コリーはこれで3頭目です。とてもフレンドリーでほとんど吠えず、そばで静かにこちらを見守っているタイプです。
Keith:
My classic car is 72 years old. I bought it back in 1983, brought it up from Birmingham. I’ve had a few—Minis, Alfa Sud, three old Volvos. One Volvo saloon I kept 17 years: bought at 96,000 miles, sold at 360,000—still not using oil.
今メインで乗っているクラシックカーは製造から72年経っています。1983年にバーミンガムから持ってきた車です。これまでにミニやアルファスッド、古いボルボを3台所有してきました。あるボルボのセダンは17年間所有し、96,000マイルで購入して360,000マイルで売却しましたが、それでもオイルはほとんど減らなかったほどの優秀な車でした。
下宿人を受け入れる理由とヨークの賃貸需要
Nishijima:
When did you buy this house?(この家はいつ購入されたんですか?)
Keith: 1986. I’m 67 now, so it’s coming up to 40 years. My family home was next door. This place was run-down—needed a new roof, plumbing, wiring. I’m a retired electrician, so I did the lot.
1986年に買いました。私は今67歳なので、もうすぐ40年近く住んでいることになります。実家はお隣で、この家は当時かなり傷んでいて、屋根も配管も電気配線も全部やり直す必要がありました。私は元・電気工事士なので、自分で一通り手を入れました。
Nishijima:
Why did you start renting a room?(お部屋を貸し始めた理由は?)
Keith:
Money—honestly. I’ve had maybe six lodgers: a chef, a couple of students who later went full-time and moved closer to the centre. Everyone’s circumstances differ, especially with visas.
正直に言えば収入のためです。これまでに下宿人(ロッジャー)は6人くらい受け入れてきました。シェフの方や、学生から就職して中心部に引っ越していった人もいます。特にビザの事情など、人それぞれですね。
Nishijima:
Any difficult experiences?(トラブルはありましたか。)
Keith:
Once, I’d warned someone not to use an electric heater in the room—fire risk. He did, even hung a towel on it. I told him he had to go; gave him two extra weeks if he paid weekly up front. That was the only real issue.
トラブルらしいものは一度だけです。部屋で電気ヒーターを使うと火災の危険があるので使わないよう伝えていたのに、タオルまで掛けて使っていた人がいました。その時はすぐ退去してもらいましたが、前払いするなら2週間の猶予は与えました。それ以外に大きな問題はありません。
Nishijima:
Is rental demand strong in York?(ヨークの賃貸需要は強いですか?)
Keith:
I’d say so—York draws tourism, has enough vibrancy, and the University is right over the road. Students walk their dogs in the fields; I walk Blue twice a day there. About half my lodgers worked locally; the rest were students.
ヨークの賃貸需要は十分に強いと思います。観光客が多く、街にも活気がありますし、大学もすぐそばです。近くの原っぱでは学生たちが犬を散歩させていて、私もブルーを毎日2回連れて行きます。これまでのロッジャーは、半分が地元勤務の社会人、残り半分が学生でした。
ロンドン以外の地域でも、信頼できる物件を探したい方へ。
JTECでは、現地事情も踏まえたサポートを実施しています。
歴史学者が選ぶ「ヨーク滞在中に行きたい場所」
歴史研究者ならではの視点で、滞在中に訪れたい場所を挙げていただきました。観光とは一味違うスポットが見えてきます。
ヨーク大聖堂を改めてじっくり見たい
西島:
せっかくイギリスにいらっしゃるので、行ってみたい歴史的な場所はありますか?
仲丸先生:
やっぱりヨーク大聖堂はもう一度じっくり見たいですね。それと、近くに「マーストン・ムーア(注)」という古戦場があります。イギリス内戦の時に、王党派と議会派が激突した場所なんですよ。
(注)マーストン・ムーアの戦い(Battle of Marston Moor, 1644年7月2日)は、イングランド内戦における最大規模の戦闘で、議会派とスコットランド軍の連合軍が王党派軍を破った戦いです。場所はヨーク西方約10キロのマーストン・ムーア平原で、オリバー・クロムウェル率いる「ニュー・モデル軍」前身の騎兵が決定的な働きをしました。この勝利により北部イングランドは議会派の支配下に入り、王党派の勢力は大きく後退しました。
西島:
おお、歴史ロマンですね。ハドリアヌスの壁にも興味あります?
仲丸先生:
ありますけど、あそこは車でないと行きづらい場所んですよね。いつか時間を作って行ってみたいと思っています。
まとめ
歴史学者としてヨークに滞在する仲丸先生。
宗教改革で失われた中世の遺構やジェントリー研究のためにヨークを拠点とし、日々大学で研究に取り組みながら、クラシックカー好きのホスト・キースさんやボーダー・コリーのブルーとの共同生活も楽しんでいます。
一方で、半年という微妙な滞在期間、イギリス地方都市の賃貸事情、ビザと契約期間のギャップなど、個人で解決するにはハードルの高い部分もありました。そんな中で、インターネット検索から「イギリス アコモデーション」「日本語対応の不動産サポート」を求めてJTECを見つけていただき、ヨークでの住まい探しから契約サポートまでをご利用いただいた形です。
ヨークへの留学・研究滞在を考えている方、ロンドン以外の地方都市で安心して住める部屋を探したい日本人の方にとって、今回のインタビューが、「ヨークで暮らす」具体的なイメージと、現地で頼れるサポートの選択肢としてのJTECの一つを示すきっかけになればと思います。
ロンドン以外の地域での在外研究・留学滞在は、情報が少なく不安を抱える方も多いです。
JTECでは、ヨークを含むイギリス地方都市での物件探しや契約サポートを幅広く行っています。


